ピラティスと呼吸 〜正しい呼吸方法を知り効果を高める〜

ピラティスと呼吸 〜正しい呼吸方法を知り効果を高める〜

こんにちは
尼崎市塚口町のピラティススタジオ、Pilates Studio Limone塚口店のKokiです。

ピラティスで呼吸が大事ってよく聞くと思います。
ですが呼吸がなぜ大事なのでしょうか。

そして正しい呼吸とは一体どんな呼吸のことをいうのでしょうか。

ただ吸ったり吐いたりすればいい訳ではありません。

私たちが生きていく上で欠かせない『呼吸』について、今一度考え直す機会にしていただけると幸いです。

本記事では、呼吸の概要、正しい呼吸とは何か、自分でできる正しい呼吸のチェック方法、ピラティスでの呼吸の重要性についてお話しできたらと思います。

呼吸を知ろう

呼吸の基本

呼吸は知っての通り、私たちが生きていく上で欠かすことのできないとても重要な生命維持装置です。

呼吸の役割としては、空気中の酸素を体内に取り入れて、体内の細胞の代謝で生じた二酸化炭素を排出することが中心となります。

通常、二酸化炭素が体内に多い状態になると、呼吸をより深く、速くするように脳から指令が出されます。

医療現場でも体内の異常を示すサインとして呼吸回数や呼吸の仕方などを念入りにチェックされることが多いです。

健常な人の場合でも、日常において激しく動いたり、緊張する場面があると呼吸数が多くなったり、息切れを起こすことがあると思います。
これも無意識に身体が行なっている生体反応です。

しかし、この無意識に行なっている呼吸ですが、意識的にもコントロールできるということが重要です。

深呼吸したり、息を止めたり、声を出したりするのって、自分の意思でできますよね。

現代人は呼吸が浅く、そのことが原因で身体にあらゆる不調をきたしているということも知られています。

腰痛や肩こり、不良姿勢の原因としても呼吸が関わっていることが多いです。

呼吸が無意識でしか行えないのであればお手上げ状態になってしまうのですが、意識して行えるというのであればそれって改善の余地があるということですよね。

呼吸の仕方を知るということは、姿勢改善や身体の不調の改善のためにも直結するため、ピラティスをする方にはぜひ呼吸に関しても認識を深めていただきたいものです(^ ^)


呼吸で使う筋肉はどこ?

呼吸において働く主要な筋肉として横隔膜が挙げられます。

この横隔膜が呼吸の7割〜8割近くを担っているのですが、現代人はこの横隔膜を使えていない方が多いと言われています。

その代わりに、補助呼吸筋と言われる横隔膜以外の筋肉で呼吸をしているというケースが多いです。

補助呼吸筋として、首の筋肉(胸鎖乳突筋、斜角筋など)や胸の筋肉(大胸筋など)、背中の筋肉(脊柱起立筋や広背筋)やお腹の筋肉(腹直筋など)も含まれます。

本来、横隔膜が機能していれば他の筋肉はそこまで働かなくていいはずですが、横隔膜が機能しにくく、それでも呼吸しないと生きていけないため、なんとか呼吸をしようとあらゆる筋肉で補うというテクニックを我々は身につけているのです。

ただ、このように横隔膜以外の筋肉が過剰に働くことは、身体にとっては良くないことばかりです。

いかに横隔膜を機能させるかというのが呼吸において重要な考え方となりますのでぜひこの後の内容も読んでみてください。

呼吸はインナーマッスルとも深く関わる!

さきほども述べましたように、呼吸に関与する筋肉のうち横隔膜の割合が多くを占めています。

そして、その横隔膜は体幹筋のインナーマッスルの機能としてもとても重要な役割を果たしています。

体幹トレーニングやピラティスをする際に『インナーマッスル』という言葉をよく耳にすると思うのですが、インナーマッスルについての概要を整理しましょう。

インナーマッスルというのは、おそらく多くの方が想像している通り、体幹部の深層に位置する筋肉であり、体幹の安定性に大きく貢献します。

主に関与する筋肉として、
・多裂筋
・腹横筋
・内腹斜筋
・骨盤底筋群
・横隔膜    
が挙げられます。


記載の通り、横隔膜がこのインナーマッスルの中に含まれます。

呼吸が浅い=横隔膜が機能していない

横隔膜が機能していない=インナーマッスルが働かない

インナーマッスルが働かないとアウターマッスルが過剰に働いてしまい、最終的に腰痛や肩こりなど、全身の筋の緊張が高まることにつながりかねません。

そのため、トレーニングをする前にまず呼吸ができているか。これがトレーニングの質を高めることにもつながりますので、やはり呼吸は大事なんです。

正しい呼吸を知ろう

正しい呼吸とは

結論から述べると、
正しい呼吸とは、横隔膜が上下に動いているということを言います。

しかし、横隔膜は自分の意思では動かしにくい部位であり、ここがよく勘違いされやすいところになります。

通常、私たちが日常で使う筋肉は意識して力を入れたり、抜いたりが可能ですが、横隔膜には感覚神経が少ないため意識して動かすにはとても難しいです。

そのため、横隔膜を動かすというよりは、横隔膜が動きやすい環境を作ってあげることがポイントとなります。

横隔膜は、ドーム上の構造をしており、吸う時には緊張して下降することにより肺を広げ、吐く時に上昇して肺を押し出し空気を外に吐き出す役割があります。

現代のストレス社会においては、横隔膜が緊張しっぱなし(横隔膜が下がったまま)の状態となり、次に吸おうにも、下がることができず十分に吸えない状態となっていることが多いです。

そうなると呼吸は止まってしまうため、なんとか別の手段で肺が広がるスペースを作ろうと、あらゆる筋肉が過剰に働いてしまいます。

そのような状態で1日に何千回、何万回と呼吸をすれば、腰痛や肩こりなど何かしら身体に不調が出ることは当然のことのように思います。よって横隔膜が機能するというのが一つポイントですので、ぜひおさえておきましょう。


横隔膜を機能させる 呼吸のポイント

横隔膜を機能させるためのポイントとはズバリ、肋骨を閉じる(内旋する)ことができるということ。

横隔膜は、背中の骨から腰の骨まで、肋骨などに付着し、ドーム形の膜を張って呼吸筋の役割を果たしています。

さきほども少し述べましたが、現代人は横隔膜が緊張しっぱなしになってることが多いといわれています。

横隔膜が緊張していると、横隔膜が下がったままの状態となります。体の表面からみると胴体の前側が開きっぱなしになってしまっている状態です。

前側が開きっぱなしと言いましたが、これはつまり肋骨が開いた状態で『リブフレア』とも言います。

おへその上に「ハ」の字にとびでた骨があると思いますが、その「ハ」の字の角度がリブフレアの目安となります。

要は、この肋骨の開きを抑えること(肋骨の内旋)がポイントとなります。

肋骨を閉じる筋肉としては、腹筋群が中心となりやすいです。

深く呼吸を吐いて、肋骨の動きが出るか。この感覚が自分でわかるかどうかがとても大切になります。

肋骨を閉じることができれば、その分肋骨の動きの振れ幅が増えますので、より効率よく横隔膜を動かしやすくなり、深い呼吸がしやすくなることにつながります。

ですので、吸うことよりもまず長く吐けるか、また肋骨が動いているのか、そこを意識して呼吸を行うことが重要です。

今の呼吸をチェック

今の自分の呼吸をチェックしてみましょう。

①呼吸回数 
②肋骨の位置
③何秒間息を吐けるか
④吸う時にどこが膨らんでいるか

この4つをおさえておきましょう。


①呼吸回数
 正常は15回。しかし、10回切るくらいが理想です。
 静かな部屋でタイマーを測り、吸って吐いてが何回できているかみてみましょう。


②肋骨の位置
 第10肋骨の位置を確認してみましょう。お腹の上にボコッとハの字に出ている骨があると思います。
 そのハの字の角度が90°前後が正常とされています。
 A4ファイルなどの角を肋骨に合わせてみて90°になっているかみてみましょう。
 90°よりも広がっていたり、逆に閉じすぎていても良くありません。


③何秒間息を吐けるか
 8秒〜10秒を目安にしてみましょう。
 また吐くときに肋骨は下がる方向に動いているかも確認してみましょう。


④吸う時にどこが膨らんでいるか
 吸う時に膨らむ位置が、胸なのか、お腹なのかみてみましょう。
 胸であれば胸式、お腹であれば腹式呼吸として捉えていいと思います。
 理想は胸もお腹もどちらも膨らんでくることです
 また、膨らむ時に前ばかり膨らんでいませんか?
 背中の方まで膨らみが感じれるかどうかも重要なチェックポイントです。
 360°胸郭が膨らむか試してみてください。

ピラティスと呼吸

動きの中で呼吸を身につける

正しい呼吸を身につけるために、まずは意識して息を吐いて肋骨を閉じれることが大事だということを述べました。

また、それに加え肋骨を閉じた状態で息が吸えるということも必要になってきます。

ピラティスでは、ニュートラルポジションというのがあり、なるべくニュートラルを維持して動作を行うように声掛けをすることが多いです。

ニュートラルポジションをつくる中で、「肋骨を閉めて」、「お腹を薄くして」などと声掛けをすることがありますが、呼吸の観点からしても、やはりその重要性は高いなと感じます。

体幹筋を働かせた状態でも呼吸が持続できるというところに繋がるので、ピラティスをする方にとってニュートラルポジションを維持するということの重要性について再認識していただけたらと思います。

ピラティスをする中で、呼吸と動きを連動させてより良い姿勢、動作の獲得、身体の不調改善に役立てていただけると幸いです。


姿勢改善にも呼吸は必須!

呼吸の仕方によって姿勢にも大きく影響を与えます。

外見的に、首の筋肉が発達している人や、肩が異様に上がっている人、巻き肩の人や背中の筋肉を使って胸を過剰に張っている人など、人によって様々ですが、それらに共通して言えることはやはり息が吐けていないということです。

息を吐けていないということは横隔膜が働きにくい環境になっており、それ以外の筋肉でなんとか肺を膨らむスペースを作ろうとします。

首や肩、背中の筋肉など余計な力が入りやすくなってしまうのは、このような呼吸が原因となっていることが多いです。

また、私たち人間は呼吸を1日に約2万回以上行っているとされています。

この2万回の呼吸を横隔膜を使わずに行う手段を身につけてしまっているがために、腰痛や肩こりといったあらゆる不調、反り腰や巻き肩などに繋がってしまうのです。

逆に言えば、2万回の呼吸が変われば、私たちの身体にとってもとても大きな影響を与えるのではないでしょうか。

呼吸が変わることは、姿勢が変わることにも直結するため、ピラティスを通じてより良い呼吸をマスターしましょう。

呼吸を変えて日常生活をより良く!

今回、自分でできる呼吸のチェック方法もお伝えしました。

まずは、今の自分の呼吸の特徴を確認していただき、理想の呼吸に近づけるように定期的にチェックしながらピラティスや日常でのケアを行っていただければと思います。

また、会議の直前や睡眠不足の時、寝つきが悪いなと感じる時などに、呼吸回数をチェックしてみるのも面白いです。

身体が緊張していると、普段より呼吸回数が増えていたりすることが多いので、そんな時にまず深く吐くを意識して気持ちを落ち着かせるのも有効的な手段となります。

加えて今回は、意識して肋骨を動かすことが重要であるとお伝えしています。

しかし、柔軟性の低下などから物理的に動きにくくなっていることも多いです。

ピラティスでは、体幹筋力の向上だけでなく、柔軟性向上の要素や滑らかに身体を動かすための要素も多く含まれ、呼吸と動きを連動させて動作を行います。

呼吸をしやすい(横隔膜が働きやすい)身体づくりをする上でも、ピラティスはとても有用です。

お身体のお悩みがある方は、ぜひピラティスを身体を整える一つの手段としてご活用いただけると幸いです。

まとめ

正しい呼吸とは、横隔膜が機能しているということ。

呼吸が変われば姿勢も変わります。

まずは、今の自分の呼吸を知ることから始めましょう。

呼吸をするときに肋骨は動きますか?吸うときに背中側も膨らんでいますか?

Limoneではお悩み改善に向けて幅広い視点でお客様一人一人のサポートをさせていただきます。

ぜひ一緒にピラティスをしてより良い姿勢、習慣を身につけていきましょう。

~~~~~Pilates Studio Limone(塚口店)~~~~~

私たちは、皆さまにお身体のお悩みを抱えることなく毎日を幸せに楽しく過ごし頂けるようにピラティスを通じて姿勢改善やお身体の不調を整えていく取り組みをさせていただいております。

「姿勢が良くなると気持ちも変わる」

  • 国家資格の理学療法士によるカウンセリングやトレーニング構築
  • マシンピラティスとマットピラティスの併用により、数1000種類のトレーニング内容から利用者様に合ったメニューでのパーソナルトレーニング

そのため、ただトレーニングを提供するだけではなく皆さまの様々な悩みにお応えし寄り添いながら楽しい人生を過ごして欲しい想いで私達は取り組んでいきます。
不良姿勢により体のゆがみが気になる方は是非お待ちしております。

今後もホームページ内では皆様に役立つ内容や自宅での行えるような取り組み内容を発信していきたいと思います。

定期的に見てくださいね。

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このコラムを書いた人

ピラティススタジオLimoneKoki Kaseida

理学療法士として活動しており腰痛や肩こりなど身体のあらゆる不調を訴える方と日々関わっています。
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理学療法士としての専門性を活かして、個々人の身体特性やニーズに合わせたピラティスメソッドを提供させていただきます。

保持資格

  • 理学療法士
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